「子供が宿題をしない!」とお悩みの親御さんに向けて、お子さんが宿題をしない理由と、お悩み別の解決策を解説します。
また、子供のやる気を引き出す親の接し方や、学習習慣を身に付けるためのコツ、親のNG行動についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
それではさっそく、子供が宿題をしない理由と、お悩み別の解決策を見ていきましょう。
子供が宿題をしない最たる理由は、宿題をするよりも遊びたいからです。
子供は遊びの中で創造する力や挑戦する力、社会性、感受性などが育っていくと言われています。遊びも宿題と同じくらい子供の成長に重要な役割を担っているのですが、やはり宿題を疎かにするのは良くありません。
解決策としては、1日のスケジュールにメリハリを付けることです。
学校の宿題にかかる時間は30〜40分程度が目安となっていますので、最低でも30分は机に向かう時間を確保するように努力してみましょう。逆に言えば、「勉強するのは1日のうち30分だけ、宿題が終わればあとは遊んでOK!」とルールを決めたら、子供も見通しが立てやすく、メリハリをつけて勉強と遊びの両方に取り組むことができます。
毎日決まった時間に学習をする子供と、学習時間が習慣化していない子供では、学習時間が習慣化している子供の方が、自ら進んで宿題をする傾向があるとされています。ポイントは「だいたいこれくらい」という時間ではなく、例えば「朝食前に」「帰宅後すぐに」「夕食後に」など、毎日きちんと決まったタイミングで行うことです。
特に低学年のうちは疲れて早々に眠ってしまう子供も多いため、血糖値の変化で眠くなりやすい食後はあまりおすすめしません。朝食前や夕食前など、ご飯の前に取り組むのが良いでしょう。
宿題をする意味がわからないため、宿題や勉強に対するモチベーションが上がらないのも、宿題をサボってしまう理由の一つです。
宿題には授業の予習復習や学習習慣を身に付ける意味があり、学力の向上だけでなく、計画を立てる力や約束を守る力、信頼を積み重ねる力などを育てる意図があります。また、家庭学習によって親が子供の勉強進度を把握したり、宿題を通じて親子のコミュニケーションを育むという目的もあります。
とは言え、このような意味を伝えたところで「それなら宿題頑張る!」と思う子供は少ないでしょう。もし、子供から「宿題なんて意味がないよ」と言われたら、「じゃあなんで先生は宿題を出していると思う?」と子供に考えさせてみてください。親子で宿題の意味やあり方について考えることが、宿題へのモチベーションをアップさせる良いきっかけになるかもしれません。
宿題をしない原因として、「宿題のやり方がわからないからできない」という可能性も考えられます。
学年を追うごとに学習内容はどんどん難しくなりますので、学習習慣が身に付いていないと、中学生・高校生になった時に授業についていけなくなる可能性が高まるでしょう。
そのような時は親が横について宿題をサポートし、わからない問題が出た時は「こうすれば解けそうだけど、どう?」と提案する形で進めていくのがおすすめです。ただし「こうしなさい」「こう書きなさい」と頭ごなしに言いつけるのではなく、必ず「どう思う?どうかな?」とあくまで提案にとどめることがポイントです。
遊んだりゲームをしたりする時の集中力は感心するほどなのに、宿題や勉強となるとすぐに集中が途切れてしまうお子さんは多いもの。しかし、遊びやゲームだったら何でも集中できるのかと言うと、それは違います。遊びやゲームの内容が好きだから集中できているのです。
これは学習についても同じことが言え、まずは子供が好きな教科の宿題からスタートし、達成感や成功体験を積み重ねていくのがおすすめです。例えば、簡単な計算問題でやる気がアップする傾向があれば、宿題をする前に1〜2分程度計算問題を解いてから宿題を始めるのでも良いでしょう。
次に、宿題をしない子供に対して、やる気を引き出す親の接し方についてご紹介していきます。
褒め方には、良い褒め方と悪い褒め方が存在します。
良い褒め方とは、子供の行動に対して評価することです。たとえ結果が思うようにならなくても、「難しかったのによく頑張ったね!えらい!」「もう宿題終わったの?さすが〜!」など、その行動に対して褒めるのがコツとなります。
このような褒め方は、子供に自信が付いて向上心が高まり、子供が自分自身を大切にしようと思う自己肯定感が育っていきます。
一方で悪い褒め方は、子供の能力や結果に対して評価することです。例えば「テストで100点取るなんて、とても偉いね!」という褒め言葉は、「100点が取れないと親に認めてもらえない」「次も100点を取らなきゃ…」と子供にプレッシャーを与えかねません。
このような褒め方では、子供が常に良い結果を出さないといけないため、失敗を恐れてチャレンジしない子になってしまいます。
そのため宿題をしない子には、ほんの些細な行動でも良いので、積極的に褒めるようにしてみてください。
関連記事:子供を伸ばす褒め方にはコツがある!子供に伝わる上手な叱り方も紹介
子供をご褒美で釣って、宿題をさせる行為は良くありません。
例えば、「宿題が全部終わったら10円」というような手っ取り早く子供の機嫌が取れそうなルールを作ってしまうと、宿題の目的がお金を貰うことになり、宿題に限らず、報酬がなければ頑張れない子に育ってしまいます。このように、報酬を貰うことが目的となってしまう心理状態を「アンダーマイニング効果」といい、本来の内発的動機付け(学習に対する意欲や関心)が失われてしまうため、頻繁にご褒美を与える行為は避けた方が良いでしょう。
もしご褒美を与えるのであれば特別な時だけにして、ご褒美がなくても自主的に頑張れる状態を目指すのが理想です。
ルールを決める際は、子供が主体となって、実行可能な約束を立てることがポイントです。親が一方的に作ったルールは、その理由や取り組み方について理解できないかもしれません。反抗期に突入していると、自分の意思が介入していないルールに納得できず、強い拒否感を示すこともあるでしょう。
また、決めたルールは紙に書き出してリビングなどに張っておくのがおすすめ。決めたルールが習慣化するまでは、親がお手本となって一緒に行動するのが理想です。
関連記事:子供の反抗期はいつ始まっていつまで続く?年齢別の特徴と接し方のポイント
「もう勉強したくない!」「難しくてわからないもん……」「私には無理!できない!」など、自信の無さからチャレンジを恐れる様子が見られた時は、気持ちを前向きにする取り組みが重要です。
例えば、「きっと解けない・理解できない」と思っている子供に対しては、頑張っている姿勢を褒めた上で「でも、できないからって何もしなかったら、ずっとできないままだよ?必ずうまくいくとは限らないし、失敗するかもしれないけど、頑張り続けたらいつかきっとうまくいく時が来るからね」と伝え、一緒に宿題や勉強に取り組んでみてください。
また、面倒くさいという理由で取り組まない時は、「面倒くさいなーやりたくないなーって気持ちもわかるけど、宿題はやらないわけにはいかないよね?」「大変だけどまずはやってみようかな、と思ってみるのはどう?」と、面倒くさい・疲れた・しんどいといった言葉を、「大変だけど」という言葉に置き換えてみるだけで、気持ちが前向きになることもあります。
親が話しているのに視線をそらしたり、「いや!無理!」とアドバイスが素直に聞き入れられない時は、良くない行為だと気付かせる必要があります。
接し方としては、「私が話している時にそうやってそっぽを向いてたら、話が入ってこないんじゃない?人間は、相手の目を見ることで、話がよく頭に入るようにできてるんだよ。だからね、話を聞く時は必ず相手の目を見て聞くようにしようね」と、理由を伝えながら促します。
またアドバイスが聞き入れられない時は、「あなたはサッカーが得意だから、上手にできないお友達にこうしたら上手くいくよって教えてあげることもあるでしょ?」「でもその時に、お友達があなたの言うことを無視したら悲しくない?私ならもう教えたくない!って思っちゃう」
「反対に『やってみる!』ってチャレンジして、上手くいった時はあなたも嬉しくないかな?これからも一緒に頑張ろうねって思うよね。」「だから、人からアドバイスされた時は、あなたも笑顔で『やってみる!』って言ってみたらどうかな?」と、立場を入れ替えて考えさせるのが効果的です。
宿題へのやる気がアップする学習環境のポイントは、安心できること・散らかっていないこと・雑音がないことの3点です。勉強する場所は問いませんが、小学生のうちは家族の存在が感じられるリビングがおすすめです。
【やる気がアップする学習環境】
宿題をしている時に集中力が低下しないように、勉強する空間は整理整頓しておき、テレビやスマホなどの音が耳に入らないようにサポートしてあげてください。
なお、学習環境の作り方については「【小学生】子供の集中力を高める方法は?家庭内でのNG行為についても」でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
最後に、宿題をしない子供に対して親がしてはいけないNG行動について見ていきましょう。
子供の自主性を育てることと、放置することは異なります。
子育てにおいて子供がやるまで何も言わずに待つ状態とは、子供を無視したり放置したりすることではなく、「子供が自主的にチャレンジしようとする未来を信じて見守る」という認識が本来のあり方です。
例えば、「今日はどんな宿題が出たの?」「1つ目の宿題が終わったら少し休憩しようか」など、子供が自ら行動できるようなきっかけとなる声かけが効果的。いつまで経っても宿題をしようとしない子供に対してイライラする気持ちはわかりますが、子供が気持ち良く動ける声かけに取り組んでみてはいかがでしょうか。
関連記事:子供のやる気を引き出す方法とは?親が意識しておきたい5つの習慣
シチュエーションを問わず、自分の子供と他の子供を比較するのはNGです。他人と比べて自分を評価する思考が癖になってしまうと、子供は常に周囲の目を気にしながら行動するようになってしまいます。
また、他の子供や家庭と比べてしまうのは、親自身の活動範囲が狭い可能性があるので、視野を広く持つことが大切です。得手不得手は誰にでもあることで、家庭環境もそれぞれです。親自身が視野を広く持ち、自信を持って子育てしていきましょう。
穏やかな態度で子育てしたいのに、つい大声でどなってしまったり、「もう知らない」と突き放すようなことを言ってしまったりと、イライラが態度に出てしまうことはよくあること。
しかし、感情にまかせて叱るのは言葉の暴力となり、最近では、子供の言語能力が低下したり、聴覚に障害が生じる恐れがあることが分かっています。
どうしても叱らないといけない場面では、叱る理由を明確にし、子供の気持ちを受け止めることも意識してみてください。
関連記事:子どもの叱り方にはコツがある!上手な叱り方・悪い叱り方とは?
今回は、子供が宿題をしない理由やお悩み別の対策、子供のやる気を引き出す親の接し方についてご紹介しました。
宿題をしない子供に対して親ができることは、宿題に集中しやすい環境づくりです。しかし、「弟や妹が居て集中できる環境を整えてあげられない」「仕事で忙しく、じっくり時間を作ってあげられない」といったお悩みをお持ちの方も多いでしょう。そのような方は、学習塾を利用してみるのもおすすめです。
多くの学習塾には子供が自主学習できるスペースが設けられており、例えば私たち個別教育Canでは授業がない日でも自由に自習室をご利用いただけます(※)。家庭内だけで悩みを抱え込まず、第三者の手を借りることもぜひ検討してみてくださいね。
※自習席が本校は80席、赤坂校、はなのき校、富里校は50席あります。平日は15時から22時まで、土日は12時から22時までで、お正月も休みなく使えます。
個別教育Canは千葉県で展開している個別指導塾です。そして、個別指導塾でありながら「先生が全員正社員」をモットーとしている学習塾となっています。
個別教育Canの想いは、教育を通じて子供達の可能性を開花させ、多くの人の役に立つ人間になってもらうこと。子供の性格・やる気・理解度・自信・性別・知識・志望校によって授業や教え方を変え、困難なことにも「自分ならできる!」と自主的に努力し、挑戦する子に育てます。
そのため、大学生のアルバイト講師はとらず、先生が全員正社員の個別指導塾であることにこだわっています。
「何度言っても宿題をしない、習慣化できない」とお困りの方は、ぜひ一度個別教育Canに足をお運びください!
ご家庭で勉強のやる気を出す方法や、お子様の見守り方などについても、最善策をご提案します。まずはお気軽にお問い合わせください。