中学生になると、家庭学習が学力向上のカギとなります。しかし、
「家庭学習ってどうやったら良いの?」
「部活が忙しくて勉強どころじゃない……」
「家庭学習をしているのに結果に結びつかない」
と悩む中学生や、中学生のお子さんを持つ親御さんは多いもの。
そこで今回は、中学生の家庭学習のやり方や勉強効率を上げる家庭学習のポイント、勉強を習慣化するコツについてご紹介します。
家庭学習の仕方が知りたい中学生や、お子さんの家庭学習でお悩みの親御さんは、ぜひ参考にご覧ください。
目次
中学校での授業は小学校と比べてスピードが速く、また内容も難しくなっていくため、学校で出された宿題をするだけで良かった小学生の頃のやり方では通用しなくなります。
ここでは、家庭学習の基本である「予習」と「復習」のやり方について解説していきます。
家庭学習の基本の1つ「予習」について、方法とポイントを見ていきましょう。
そもそも予習とは、前もって学習することを意味します。あらかじめ学習内容を頭に入れておき、授業の理解度を高めることが目的です。
予習の方法は、教科書を読み、理解できる部分と理解できない部分を把握します。中学校の授業時間は1コマ45〜50分が一般的ですが、45〜50分もの間、集中力を持続させるのは大人でも難しいこと。そのため、予習で事前にわからない部分を見つけておき、それを理解することに集中するのが、効率の良い授業の受け方だと言えます。
また、予習にあてる時間は1教科10分程度で問題ありません。教科書にザッと目を通して、わからない言葉や英単語、公式などに印を付け、必要に応じて辞書などで意味を調べておくと良いでしょう。
ちなみに、全科目予習する時間がない場合は、数学と英語を優先的に予習するのがおすすめです。また、自分が苦手な科目や、授業だけで理解するのが難しいと思う科目だけでもかまいません。
次に家庭学習のもう1つの基本「復習」について、方法とポイントを見ていきましょう。
復習とは、習ったことを繰り返して勉強することを意味します。授業内容が理解できているか確認することで、“理解したつもり”をなくすのが目的となります。むしろ、1回の授業で全ての内容を理解できる人はごく希で、勉強が得意な人こそ、復習を大切にしています。
復習の方法ですが、その日習った教科書やノートを読み直し、理解できない部分や解けない部分、暗記できていない部分を探していきます。そして、理解できるようになるまで読んだり、問題を解いたりします。
英単語や数学の公式、歴史の年号などの暗記が必要な内容に関しては何度も繰り返して定着させる必要があるので、例えば定期テストの範囲で区切るなどし、何周も反復学習しましょう。
部活動などで忙しくなる中学生。家庭学習はなるべく効率良く進めたいものです。
ここでは家庭学習を効率的に進めるポイントを、「スケジュール」「学習時間と時間配分」「教科別の対策」にフォーカスしてご紹介していきます。
中学生が家庭学習を効率的に進めるには、スケジュールの立て方が重要です。スケジュールは、高校入試に向けた中学3年間の学習計画と、定期テストを軸とした学期単位の学習計画、具体的な勉強内容を決める1週間単位の学習計画と、3つの計画を立てていきましょう。
このように勉強の目的をはっきりさせることで、スケジュールが立てやすくなります。
中学生が家庭学習を効率的に進めるには、学習時間と時間配分もポイントとなります。通常の授業期間とテスト期間、受験期間で、学習時間と時間配分を変えるのが理想です。
文部科学省のデータによると、中学生の学校の授業時間以外の1日の勉強時間は、中学1年生と2年生で1時間以上2時間未満が最も多く、中学3年生で2時間以上3時間未満が最も多い結果となっています。
【学校の授業時間以外の一日の勉強時間】(単位:%)
中学校1年生 | 中学校2年生 | 中学校3年生 | |
---|---|---|---|
全く、ほとんどなし | 14.3 | 17.1 | 8.5 |
30分未満 | 11.9 | 12.2 | 5.6 |
30分以上1時間未満 | 20.0 | 18.1 | 9.6 |
1時間以上2時間未満 | 29.7 | 28.9 | 23.1 |
2時間以上3時間未満 | 17.7 | 17.8 | 28.4 |
3時間以上 | 5.0 | 4.6 | 23.6 |
無回答 | 1.4 | 1.3 | 1.2 |
平成13年度小中学校教育課程実施状況調査
平成14,15年度高等学校教育課邸実施調査(国立教育政策研究所)
【出典】(PDF)4.学校外の学習時間についてー子どもの現状、学力、教育内容に関するデータ|文部科学省
これらのデータを参考にすると、中学1年生と2年生は1〜2時間、3年生は2〜3時間、家庭学習の時間を確保するのが理想だと言えるでしょう。
また時間配分についても、通常授業期間・テスト期間・受験期間で内容を変えます。
通常授業期間は学校の宿題を優先して苦手教科の予習・復習に取り組み、テスト期間中は授業の予習復習に加えて、定期テスト範囲の復習とテスト対策ワークに集中しましょう。受験期間は部活動が休みになる学校も多いかと思いますので、しっかりと家庭学習に励みたいところです。
そして受験期間は、授業の予習復習に加えて、基礎力を高める問題集を繰り返し解き、入試範囲まで学習が進むと志望校の過去問を解き始めていきます。中学3年生の夏休みのうちに、中学1〜2年生の復習と基礎を固めておくのが理想だと言えるでしょう。
中学生の家庭学習を効率良く進めるためには、ただ闇雲に学習を進めるのではなく、教科ごとに対策を立てるのがポイントとなります。各教科の目標については、文部科学省より学習指導要領が開示されていますので、参考にしてみると良いでしょう。
例えば国語科の目標は、新学習指導要領にて下記のように設定されています。
言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。(2)社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
(3)言葉がもつ価値を認識するとともに,言語感覚を豊かにし,我が国の言語文化に関わり,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。
具体的には、中学1年生では筋道を立てる力や、創造力を身に付けることが目標として掲げられています。例えば、「これらの」や「このことから」といった指示語を把握したり、文章の構成や規則性を見出すことに重点を置いて学習を進めると良いでしょう。
なお私たち個別教育Canでは、このような教科別の対策についても丁寧にお伝えしています。千葉県近郊にお住まいの方は、ぜひ一度、無料体験授業にお越しくださいね。
家庭学習に力を入れたいのに、モチベーションが続かなかったり、部活動や行事で忙しかったりといった理由で、習慣化するのが難しいという中学生は少なくありません。
そこで最後に、中学生が家庭学習を習慣化するコツについてご紹介します。
中学生が家庭学習を習慣化するには、まず学習環境を整えることが大切です。
いつでも学習に取りかかれるように部屋や机の上は片付け、学習を始める時はテレビの音やスマホの通知音が耳に入らないように気をつけましょう。また、目が疲れないように照明を工夫したり、長時間座っていても肩や腰に負担がかからない椅子を使うのもおすすめです。
いざ勉強しようという時に机の上が散らかっていると、机の上を片付けるところからスタートしなければなりません。学習環境が整っていれば、家庭学習に取りかかるハードルが下がり、習慣化しやすくなります。
自宅にいると、ついダラダラと過ごしてしまうもの。部活動などで疲れて、勉強に身が入らない中学生も多いことでしょう。このような場合、勉強時間を決めて家庭学習に取り組み、メリハリある生活を送るのが習慣化するコツとなります。
ポイントは、短い時間でこまめに休憩を取ること。例えば、学習時間25分間+休憩時間5分間を繰り返すポモドーロ勉強法というものがあります。こまめに短い休憩を挟むことで、高い集中力が維持できるでしょう。
また、家庭での学習にこだわらず、図書館や学習塾の自習室を利用するのもおすすめです。最近ではコロナ禍の影響もあり、友人とオンラインで繋がり各自家庭学習に取り組むのも流行っているようです。誰かに見られているという意識から、姿勢も伸び、スマホを触ることも予防できる良い方法だと言えます。
家庭学習がはかどらない理由の一つに、進捗が見えにくいことが挙げられます。「勉強のやる気が出ない」「モチベーションが上がらない」という時におすすめなのが、学習内容を記録するという方法。進捗が可視化され、モチベーションの維持に役立ちます。
方法は、家庭学習を始める前にその日の学習内容を書き出し、クリアできたらチェックを入れていくだけです。ゲーム感覚で勉強に取り組め、勉強がどんどん楽しくなっていきます。
また、目標にたどり着いたら「欲しかった漫画を買う」などのご褒美を作っても良いでしょう。設定する目標は、勉強に取り組んだ時間数や、問題集のページ数など、頑張れば必ず達成できる目標が理想的です。
質の高い家庭学習を習慣化するには、規則正しい生活習慣も欠かせません。
睡眠をしっかり取ることで記憶が定着しますし、集中力を発揮するには食事でのエネルギー補給が必要です。また、適度な運動によって、言語力や判断力といった認知機能が高まるとされています。
中間テストや期末テストの前に一夜漬けする中学生は多いですが、一夜漬けは定期テストなどの範囲が限られた試験では通用しても、範囲が広い実力テストや高校入試では、一夜漬けで取り組んだ内容が出る可能性が低い上、本番中に眠くなって本来の実力さえも発揮できなくなるケースがほとんどです。
このような事態を防ぐために、日頃から規則正しい生活習慣を心がけ、少しずつ学習を進めていくのが良いでしょう。
心身ともに急速に成長する中学生。部活内での上下関係や友達付き合いなどで、多くの子どもがストレスを抱え込みがちです。しかし、ストレスを抱えていると気分や感情が不安定になり、勉強に集中することが難しくなります。
手軽にできるストレス解消法として、部屋を片付けたり、趣味に没頭するといった方法がおすすめ。また、近所を散歩をしたり、簡単な運動で身体を動かすと、心身ともにスッキリします。
【中学生におすすめのストレス解消法】
特に受験生となる中学3年生は、勉強時間の確保や感染症予防の観点から、お出かけや旅行を控えるご家庭も多いもの。ですが、ストレスを抱えたままだと、かえって勉強効率が低下する恐れがあります。体調やシーズンに適したストレス解消法を見つけて、心身のバランスを維持することが、家庭学習を習慣化するコツだと言えるでしょう。
今回は、中学生の家庭学習に焦点を当て、勉強方法やポイント、家庭学習を習慣化するコツについてご紹介しました。家庭学習を習慣化することで、自信を持って授業が受けられるようになり、勉強がどんどん楽しくなるはずです。
なお、私たち個別教育Canでは、一人ひとりにあった授業を行っていますので、「家庭学習の方法がわからない」という中学生も、安心して学習習慣を身に付けることができます。
また、授業時間以外でも自習室をご利用いただけますので、例えば放課後はCanで宿題・予習・復習をし、自宅ではリラックスして過ごすというメリハリある学習習慣を身に付けることも可能です。
家庭学習に不安がある中学生や保護者様は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
個別教育Canは千葉県で展開している個別指導塾です。そして、個別指導塾でありながら「先生が全員正社員」をモットーとしている学習塾となっています。
個別教育Canの想いは、教育を通じて子供達の可能性を開花させ、多くの人の役に立つ人間になってもらうこと。子供の性格・やる気・理解度・自信・性別・知識・志望校によって授業や教え方を変え、困難なことにも「自分ならできる!」と自主的に努力し、挑戦する子に育てます。
そのため、大学生のアルバイト講師はとらず、先生が全員正社員の個別指導塾であることにこだわっています。
「何度言っても宿題をしない、習慣化できない」とお困りの方は、ぜひ一度個別教育Canに足をお運びください!
ご家庭で勉強のやる気を出す方法や、お子様の見守り方などについても、最善策をご提案します。まずはお気軽にお問い合わせください。