子供が小学校に上がると、
「子供の集中力が続かない……」
「すぐに他のことに気を取られてしまう」
「集中力がなく、ケアレスミスが多い」
といった様子が気になり始める親も少なくありません。
そこで今回は、主に小学生の子供の集中力が続かない原因や集中力を高める方法についてご紹介します。
具体的なトレーニング方法や、集中力を高めるためにやってはいけない行為についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
子供の集中力が続かない原因は様々で、本人にやる気がないからというだけではありません。
子供の集中力を高めるために、まずはその原因について見ていきましょう。
子供のうちはまだ脳が未発達のため、大人が想像するよりも集中力が続かないもの。
集中力を司るのは、ちょうどおでこ辺りにある前頭前野という部分なのですが、前頭前野は10歳頃に大人と同じ大きさになるとされています。つまり、小学生のうちは集中力が続かなくて当然なのです。
また、前頭前野は集中力の他にも、判断や創造、記憶、抑制、計画といった、意思決定をコントロールする役割があります。
ですから、計画性がない・自分で判断ができない・忘れ物が多い……などのお悩みも、ある程度は仕方ないと許容して、本人が困らないようにサポートしてあげるのが良いでしょう。
子供は大人よりも環境の変化に敏感だと言われています。
例えば、テレビの音や家族の声、スマートフォンの操作音など、大人にとっては気にならないような些細な環境の変化でも、集中力が途切れてしまいがちです。
そのため、集中力が続かないことを子供のせいだと決めつけず、子供の様子をよく観察して、集中できる環境作りを整えてあげる必要があるのです。
自分の好きなことなら集中して取り組めるのに、勉強となると全く集中できないという子供の場合、勉強にネガティブなイメージを持っている可能性があります。
単純に勉強に面白みや楽しさを感じないという子供もいれば、親や先生から「勉強しなさい
!」「なんでこんな簡単な問題もできないの?」などと怒られた経験から勉強嫌いになる子供もいます。
そもそも、最初から勉強が嫌いな子供はいません。もし“勉強=楽しくないもの”というイメージを持っている場合は、勉強は楽しいものだと体感させてあげることが必要でしょう。
詳しくは「【小学生】勉強のやる気を出す方法!怒らずに向き合うコツや具体的な対策について」で解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
子供の集中力が続かない時は、何らかの不安感情を抱いているかもしれません。
例えば、家族や友達と喧嘩をしたまま解決していなかったり、学校などで嫌な思いをしてモヤモヤしていたりといった時は、子供に限らず大人であっても心が不安定になるものです。
このような場合は、無理に勉強をさせる必要はなく、まずは不安感情の解決に向けてケアをしてあげるべきでしょう。
子供の集中力が続かない原因の一つに、親や先生から「あなたは集中力がない」と言われ続け、「自分は集中力がないんだ」と思い込んでしまっているケースがあります。
有効成分が含まれていない薬を「これを飲めば治ります」と伝えて飲ませると、実際に症状が緩和・治癒する現象をプラシーボ効果(プラセボ効果)と言いますが、思い込みが現実になってしまうことはよくある話です。
そのため、「もっと集中しなさい」を「ここまでよく集中できたね!えらいね!」といった自信に繋がる言葉に言い換えて、子供に自信をつけさせてあげましょう。
次に、子供の集中力を高める方法について見ていきます。
具体的なトレーニング方法にも触れていますので、子供の様子を見ながら、少しずつ取り組んでみてください。
子供の集中力を高める方法の1つ目が「学習時間を40分単位にする」です。
子供の集中力が持続する時間は年齢+1分だと言われていますが、この計算に乗っ取れば小学1年生で7〜8分、中学生でも15分程度となります。グッと集中できる時間がその程度ですので、答え合わせをしたり、わからない問題を一緒に考えたりといった時間を踏まえると、40分程度が限界になります。
この40分という時間は脳科学的にも立証されていることから、私たち個別教育Canのコマ数も40分単位に設定しています。
具体的な取り組み方法についてですが、時間の進み方が視覚的に判断できるタイマーなどを使って、まずは15分からスタートしてみてください。取り組み内容に関しては、学校の宿題や読書、調べ物、計算、日記などの、集中力が必要な学習が良いでしょう。
子供の集中力を高める方法の2つ目が「1問ずつ丸付けをする」です。
先ほどもご紹介した通り、特に低学年の頃は1問解くだけで集中力が切れがちです。
とは言え、宿題を途中で終わらせてしまうのはよくありませんので、グッと集中する時間と、休み時間を交互に繰り返して、脳の緊張を緩和させてあげる必要があります。
そこでおすすめなのが、1問ごとに丸付けをする方法です。
この方法は私たち個別教育Canの授業で実際に取り入れており、丸付けの時間が集中と非集中を切り替えるきっかけとなって、気持ちを新たに次の問題に挑戦できるようになっています。
さらに、達成感をこまめに味わえますので、まるでゲームをクリアしていくかのように楽しく学習を進められますし、間違いをすぐに正していけるため、悶々とした気持ちを引きずらなくてすむというメリットもあります。
この時のポイントですが、丸付けをする度にしっかりと褒めてあげてください。1問ずつ褒めることで、子供が自らやる気を上げ、どんどん集中していきます。また、グータッチやハイタッチを取り入れると、運動行為が脳の神経核である側坐核(のうざかく)を刺激して、さらに集中力を高めてくれます。
子供の集中力を高める方法の3つ目が「壁やパーテーションに机を向けない」です。
家の机では勉強や仕事がはかどらないのに、カフェに行くとなぜか集中力が続くという方は多いでしょう。壁に向かって作業をしていると、周囲が見えなくなり、不安やストレスを感じてしまうからだと言われています。加えて、目の前に壁があるという圧迫感や窮屈感も、作業効率を落とす原因だとされています。
このように、大人でも不安やストレスを感じる環境ですから、子供にとってはなおさらです。
そのため、家庭学習の際は、自室で壁に向かって勉強をするよりも、目の前が開けていて、家族の気配を感じるダイニングテーブルで勉強する方が、集中力が続きやすいという傾向があります。
私たち個別教育Canでもこのスタイルを採用しており、授業席の周りをパーテーションで区切っていません。実際、子供たちは集中力を途切らすことなく、勉強に取り組んでいます。
最後に、子供の集中力を高めるために、家庭内でやってはいけない行為についてご紹介します。
子供は大人よりも環境の変化に敏感ですので、子供が勉強に集中している時は、テレビや音楽を流さないようにしてください。
もし他の家族がテレビを見る時は、別の部屋に移動してイヤホンをするなど、音が漏れないように配慮しましょう。
勉強をしている本人の周りで兄弟・姉妹が遊んでいると、集中力が遮断されてしまいます。
もしお兄ちゃん・お姉ちゃんが先に宿題を終わらせたとしても、すぐにゲームなどの遊びを許可するのではなく、市販のドリルや塾の宿題、読書、日記、調べ物など他の学習を提案して、「40分の学習タイム」をルール化する工夫がおすすめです。
また、未就学児であれば、「お兄ちゃん・お姉ちゃんが頑張っているから、○○もお勉強しようか!」と声かけし、折り紙や塗り絵、お絵かきなど、遊びの中で家庭学習の準備を始めていくと良いでしょう。
子供が集中して何かに取り組んでいる時は、話しかけないようにしてください。問題を解いている最中に「すごいね!」と話しかけたり、ブロックを組み立てている時に「どうやって作ったの?」と質問を投げかけると、それがたとえ肯定的な言葉でも集中力が遮断されてしまいます。
そのため、問題を1問解き終わるまで、作品が完成するまでと、作業が一区切りするまでは、集中できる環境を作ってあげましょう。
親も人間ですので、「はやく勉強しなさい!」「どうしてこんな悪い点数なの?」「こんな簡単な問題もできないの?」といったフレーズは、ダメだとわかっていながらも口走ってしまいがちです。
ですが、やはりその状況だけを見て叱ったり説教したりするのは良くないでしょう。
このようなフレーズは、子供の集中力ややる気を低下させたり、勉強が嫌いになってしまう要因となります。
宿題をする時間については、子供自身に見通しを立てさせ、時計やタイマーなどで時間を可視化してあげるサポートにとどめましょう。
また、テストの点数が悪かったり、簡単な問題を間違えた時は、結果だけを見て怒るのではなく、なぜそうなったのか?を一緒に考える方が建設的です。間違えた問題を一緒に解きながら、理解度を深めてあげてください。
今回は、子供の集中力が続かない原因や、集中力を高める方法についてご紹介しました。
子供の頃に集中力を高める感覚をつかんでいれば、勉強に限らず、あらゆる場面でメリットがあります。高い集中力を発揮することによって、作業するスピードと質があがり、より良い成果が得られやすいからです。
「いきなり40分は難しい」という場合、まずは1日15分程度からトレーニングしていき、徐々に集中力アップを目指していきましょう。
個別教育Canは千葉県で展開している個別指導塾です。
授業でも授業以外でも、基本的に子供をよく褒め、自分の力で問題を解く「楽しさ」を伝えるように心がけています。
例え不正解でも否定せず、回答を見つけるまでのプロセスを講師と一緒に歩むことで自信につながり、徐々に勉強が好きになります。
そして問題が解けたときは、子供と一緒に、めいいっぱい喜びを分かち合います。
また、その子特有の「間違える癖」を見つけ、子供自身にそれを気づかせ「ミスを減らす」ように促し、子供の能力を信じて伸ばします。
さらに学校では教えない、それを知っていると問題が簡単に解けてしまう「Can独自のポイント」を教えるため、勉強が得意・好きになる可能性がグッと高まります!
ご家庭で集中力を高める方法や、お子様の見守り方などについても、最善策をご提案します。まずはお気軽にお問い合わせください。