今回は、自宅学習で何をすれば良いのか悩んでいる中学生や、中学生のお子さんをお持ちの親御さんに向けて、自宅学習の基本や学習時間の目安、通信教育や問題集など自宅学習で使用する教材の選び方、自宅学習を習慣化するコツなどについてご紹介します。ぜひ参考にご覧ください。
目次
小学校と比べて授業のレベルやスピードがアップする中学校。
中学生になった途端、勉強が苦手になったり、嫌いになったりするケースは少なくありません。これまでテストは100点が当たり前だったのに、見たこともないような点数を取ることもあるでしょう。
小学生の頃は、学校で出された宿題をこなすだけで、授業についていくことができたかもしれませんが、中学生は「自宅学習」が重要なカギとなります。
とは言っても、難しい問題集を何冊もこなす必要はありません。中学生の自宅学習の基本は、学校の教科書を使用した「予習」と「復習」です。また日々の予習と復習に加えて、定期テスト対策や受験対策も必要です。それぞれ見ていきましょう。
予習の目的は、あらかじめ授業内容を把握しておくことによって、授業の理解度を深めることです。また、事前に理解できない内容を知っておけば、集中して授業に臨むことができます。
予習の方法としては、授業で使用する教科書やワークにザッと目を通すだけでOK。理解できない言葉や内容があればマーカーなどでチェックしておき、「理解するぞ!」という気持ちで授業を受けましょう。
復習の目的は、理解できないところの把握と記憶の定着です。
授業では理解できても、いざ問題を解こうとすると「あれ、どうやって解くんだっけ?」と、わかったつもりになっていることに気付かされます。復習とは、このわかったつもりになっている内容を把握し、解消していくことなのです。
復習の方法としては、授業があったその日のうちに教科書とノートを見返し、予習時にわからなかったことが理解できているかを確認します。理解できない内容があれば、自分で調べたり、ノートにまとめておいて翌日先生に質問しましょう。
定期テストや高校受験に向けた勉強では、基礎をしっかり固めることが重要なポイントとなります。定期テストや高校受験の問題の大部分は基礎問題で構成されており、また、応用問題や発展問題に関しても、基礎がしっかりできていないと本質を理解することが難しいからです。
勉強の進め方について、中学1年生・2年生・3年生の1学期までは、定期テスト対策に特化した問題集を使用するのがおすすめです。特に間違えた問題に重点を置き、苦手な問題を克服していきましょう。中学3年生の秋以降は、過去問にも取り組んでいきます。理解できない範囲があれば、再度定期テスト対策の問題集に戻って、基礎をしっかり固めていくことが大切です。
次に、中学生が自宅学習にかける時間について見ていきます。
自宅学習にかける時間は個人の状況にもよりますが、文部科学省のデータによると、中学1年生と2年生で1時間以上2時間未満が最も多く、高校受験を控えている中学3年生で2時間以上3時間未満が最も多い結果となっています。
【学校の授業時間以外の一日の勉強時間】(単位:%)
中学校1年生 | 中学校2年生 | 中学校3年生 | |
---|---|---|---|
全く、ほとんどなし | 14.3 | 17.1 | 8.5 |
30分未満 | 11.9 | 12.2 | 5.6 |
30分以上1時間未満 | 20.0 | 18.1 | 9.6 |
1時間以上2時間未満 | 29.7 | 28.9 | 23.1 |
2時間以上3時間未満 | 17.7 | 17.8 | 28.4 |
3時間以上 | 5.0 | 4.6 | 23.6 |
無回答 | 1.4 | 1.3 | 1.2 |
【出典】(PDF)4.学校外の学習時間についてー子どもの現状、学力、教育内容に関するデータ|文部科学省
とは言え、部活動などでまとまった時間を作るのが難しいという中学生も多いことでしょう。
例えば、「登校前に20分予習をする」「夕飯後に30分〜1時間、宿題と復習をする」「就寝前に10分単語を覚える」など勉強時間を分散させると、無理なく学習を進めることができます。
中学生が自宅学習で使う教材の基本は、学校で使用する教科書とワーク、資料集になりますが、問題の数が限られているので、たくさん問題を解きたい・発展した問題にチャレンジしたいという場合は、物足りなさを感じるでしょう。
自宅学習向け教材の選択肢は様々で、買い切りタイプの問題集から、学習進度に合わせて教材が定期的に配送される通信教育、スマホやタブレットなどを使用するデジタル教材などがあります。どのようなことに注意して選べば良いのか、選び方のポイントについてご紹介します。
自宅学習は長く継続するものですから、予算内におさめることは重要なポイントとなります。
買い切り教材の方が1冊だけの値段で考えるとお得に感じますが、定期テストごとに何冊も買い足す必要があれば、それなりの費用がかかることもあります。
一方、学習進度に合わせて教材が提供される通信教育やデジタル教材は、教材を選ぶ手間が省けて便利な反面、教材の学習スタイルに自分が合わせていく必要があったり、教材や機能を使い切ることができない可能性もあります。
そのため、書店に足を運んで問題集の中身を確認したり、無料体験期間などを利用して、費用に見合った学習効果が得られるか?ストレスなく学習が進められるか?という点を考慮してみてください。
中学生向けの問題集は難易度別で販売されているので、自分のレベルや目指したい高校に合った問題集を選ぶことができます。まだ志望校が決まっていないという場合は、基礎固めの問題集を選び、徐々に難易度を上げていくと良いでしょう。
自分にあった問題集がわからない・問題集を買いに行く時間が取れないという方は、学校で使用している教科書やワーク、通信教育やデジタル教材を軸に学習を進めるのがおすすめ。
また学習塾に通えば、学習塾オリジナルの教材や、自分のレベルに合った教材を勧めてくれるので、教材を選ぶ手間がなく、効率的に学習を進めることができます。
次に、勉強が習慣化し、どんどん楽しくなっていく自宅学習のコツについて見ていきましょう。
授業の予習・復習以外で何に取り組めば良いか迷った時は、数学の公式や英単語、古文単語などの暗記に取り組んでみるのがおすすめです。暗記はコツコツと積み重ねることで必ず成果が出る勉強のため、学習による達成感が得やすいからです。
暗記のコツは、五感を活用すること。例えば、歩きながら覚える、声に出して覚える、リズムや歌で覚える、図解やイラストにして覚えるなどがおすすめです。
また、暗記は毎日繰り返すことが大切ですので、起床後や就寝前など決まった時間に実施し、習慣化させたいところです。
自宅で学習していてわからない部分があったら、インターネットを活用しましょう。
インターネットを活用すると、自分で情報を集める力や、情報を整理するための思考力が鍛えられますし、図書館に行ったり先生に聞きに行ったりする必要がないため、効率的に学習が進められます。
また、インターネットを活用すれば、多くの情報を無料で手に入れることができる点もメリットだと言えるでしょう。
ただし、本当に正しい情報かどうかの見極めや、セキュリティには十分注意する必要があります。
成績が伸びる人の共通点は、「なぜ間違えたか?」をしっかりと理解していることです。
間違いを見直すパターンとして、間違えた問題をただ繰り返し解き直すパターンと、間違えた理由を理解して解き直すパターン、そして、間違えた理由と共に再度間違えないようにするための戦略を考えて解き直すパターンがあります。
この中で、もっとも成績が伸びやすいのが、最後にご紹介した「間違えた理由を理解する→間違えないための戦略を立てる→問題を解き直す」というパターンです。
このアプローチで学習を進めると、どんどん理解ができるようになるので、勉強が楽しくなっていくはずです。
最後に、自宅学習で逆効果となる学習方法についてご紹介していきます。
自宅学習において、まとめノートを作るのは一般的な学習方法です。
確かに、まとめノートを作ることで教科書の内容を深く理解することができますし、勉強の達成感も味わえますが、勉強はインプットだけでなく、実際に問題を解いて知識を定着させていくアウトプットも非常に重要なので、まとめノートを作る時間が学習時間の大部分を占めないように注意が必要です。
そのため、自分が学習に費やせる時間を把握して、インプットとアウトプットのバランスを考え、スケジュールを立てましょう。
音楽やラジオを流しながら勉強すると集中力が高まるという意見もありますが、実は集中できる人とできない人が存在します。
音楽やラジオを聴くことで集中力が高まる人は、普段から音楽やラジオが好きで、頻繁に聴く習慣がある人です。音のある環境に対してストレスを感じにくく、単なるBGMとして聞き流すことができるためです。
とは言え、定期テストや高校入試本番は音のない環境ですから、無音に慣れておく必要もあります。例えば、暗記の勉強をする時だけクラシックやジャズのような歌詞のない音楽をBGMとして流し、問題を解く時は無音にするといった工夫で、学習に対するモチベーションをコントロールしてみてください。
一方で、音のある環境がかえって学習の邪魔になる人は、普段から音楽やラジオを聴く習慣がない人です。音のある環境下に慣れていないため、勉強中にイライラしたり、不快感を抱きやすくなると言われています。
しかし、テスト中に他の生徒がページをめくる音や文字を書く音が気になって集中できないのもよくありませんので、図書館や塾の自習室、家族がいるリビングなど、何かしらの音がある環境下で集中力を高める練習も必要でしょう。
自宅学習をしていると、「全然解けないから問題集を変えようかな?」「友達がこっちの問題集を使っていたから、私も変えようかな?」と、いろんな教材に手を出したくなることがあります。ですが、たくさんの教材を同時進行で使ったり、教材を頻繁に変えるのは学習効果を下げる可能性があるため、あまりおすすめできません。
その理由の一つが、多くの教材に手を出してしまうと、反復学習にかける時間が減り、1冊あたりから得られる学びが少なくなるからです。また、複数の教材を併用していると、結局どの教材も中途半端に終わることが考えられます。
成績アップを目指すには、問題集は1冊に絞って何度も繰り返し学習し、記憶に定着させることが重要です。
今回は、中学生の自宅学習について、基本の勉強方法や教材の選び方、学習時に注意すべき点などをご紹介しました。
しかし実際のところ、勉強よりも友達との約束を優先したり、勉強中についスマホに手が伸びてSNSやゲームに夢中になってしまうのはよくあることです。
家庭内で学習意欲・学習習慣がコントロールできない場合は、学習塾を活用するのがおすすめです。自宅より緊張感のある環境なので勉強に集中ができますし、私たち個別教育Canでは、学校では教えてくれない「問題を解くコツ」についてもお伝えしています。
学習塾などの外部の環境も頼りながら、学習の習慣化と成績アップを目指していきましょう。
個別教育Canは千葉県で展開している個別指導塾です。そして、個別指導塾でありながら「先生が全員正社員」をモットーとしている学習塾となっています。
個別教育Canの想いは、教育を通じて子供達の可能性を開花させ、多くの人の役に立つ人間になってもらうこと。子供の性格・やる気・理解度・自信・性別・知識・志望校によって授業や教え方を変え、困難なことにも「自分ならできる!」と自主的に努力し、挑戦する子に育てます。
そのため、大学生のアルバイト講師はとらず、先生が全員正社員の個別指導塾であることにこだわっています。
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