小学生の子供に、勉強についていけない様子が見られた際、家庭内でやるべき対策についてご紹介します。
また、勉強についていけなくなる理由や、具体的な勉強方法についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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私たち個別教育Canに訪れる保護者さまの半数以上が、
といったお悩みを抱えて入塾されています。皆さん周囲にこそ打ち明けないだけで、大半の保護者さまが「うちの子は……」と、学習面で何らかの悩みを持っているものです。
ところが、お子さま1人ひとりの特性や性格を知り、親身になってサポートを続けていくうちに、
と、嬉しいお声をいただくことがほとんどで、それに比例して、成績もぐんぐん伸びています。
教科書が読めなかった子が本好きになったり、学習に遅れがあった子が進んで勉強するようになるのは、お子さまに勉強意欲がなかったわけではなく、楽しさや方法がわからなかったからです。
そのため、「子供が勉強についていけてないかも……」と感じた時は、なぜ勉強についていけないのか理由を知り、解決に向けて対策していくことが大切なのです。
それではまず、小学生の子供が勉強についていけない理由について、よくあるケースをご紹介していきます。
小学生の子供が勉強についていけない理由の1つ目が、「勉強にマイナスのイメージを持っているから」です。
最初から勉強が嫌いな子供はいません。ではなぜ嫌いになるのかというと、勉強に関してイヤな思いをした経験があるからです。
例えば、
といった経験が該当します。
大人でも、他の人と比べられたり、これからしようと思っていることを指示されたりすると、不快な気持ちになるものです。また、努力をしているのに、結果が残せない時もあるでしょう。
それは子供も同じです。これから勉強をしようと予定を立てて、それに向けて遊びを一段落させようとしていたタイミングで「はやく勉強しなさい!」と怒られたり、頑張って勉強をしているのに「なんでこんな点数なの!」と怒られると、勉強にマイナスのイメージを持ってしまうのは無理もありません。
そのため、周囲の言動が子供のやる気を阻害する要因になっていないか、あらためて考え直す必要があるでしょう。
小学生の子供が勉強についていけない理由の2つ目が、「集中力が続かないから」です。
「勉強が楽しい!」と思えるようになるには、「もっと正解したい・もっと新しいことを知りたい」という知的好奇心を育てる必要があり、この知的好奇心を育てるには集中力が欠かせません。
そもそも小学生のうちは、集中力を司っている脳がまだ発達途中の段階です。一般的に、集中力の持続時間は年齢+1分程度とされていますので、これに当てはめると、小学生のうちは10〜15分程度となります。小休憩を挟みつつ取り組んだとしても40分程度が限界であり、脳科学的にも小学生・中学生の学習時間は40分単位がベストだと言われています。
また、10分も集中力が続かないという子供は、ゲームやスマホ遊びなどが影響している可能性があります。集中力を司っている前頭前野は、記憶・感情・判断・計画といった、行動をコントールする脳の部分なのですが、長時間スマホやゲームを触っていることで、この前頭前野の機能が低下する傾向があると、多くの専門家が警笛を鳴らしています。
加えて、近年よく耳にするスマホ依存症やゲーム依存症も、前頭前野の機能低下によるものだという説が有力となっています。
そのため、勉強以外で集中力を低下させる要素、つまり、前頭前野の機能低下に繋がる要因との付き合い方を見直す必要があるでしょう。
小学生の子供が勉強についていけない理由の3つ目が、「勉強の仕方がわからないから」です。
小学校に入学すると、鉛筆の持ち方やノートの取り方などは教えてくれますが、家庭学習の方法に関しては、保護者が丁寧に教えてあげる必要があります。
勉強の仕方とは、机に向かって筆箱と宿題を出すといった行動だけを指すのではなく、宿題をどのような手順で進めていくか、わからない時はどうしたら良いのか、間違えてしまったら何をすべきなのか、といった学習時に発生する様々なケースへの対処方法を指します。
勉強の仕方を子供に説明するには、まず親自身が勉強の仕方を把握する必要があります。そして、子供にそれを伝える時は、例えばホワイトボードに時間を書いて可視化したり、実際に親が隣でやってみせたりして、子供がイメージしやすいように具体的に伝えることが大切です。
勉強の仕方がわかると、水を得た魚のようにぐんぐん勉強が好きになっていく子供もいますので、もし家庭内で勉強の仕方があやふやになっていれば、紙に書き出すなどして、明確にしてみると良いでしょう。
小学生の子供が勉強についていけない理由の4つ目が、「理解力が不足しているから」です。
集中力と同じで脳が未発達だからという理由も該当しますが、同じ月齢でも理解力が高い子・低い子がいるのは、その子の特性が大きく関与しています。
そして、理解力が低いと言われる子供には、「そもそも理解しようと思わない」タイプと、「他の概念を受け入れたくない」タイプの2タイプがあると言われています。
まず、「そもそも理解しようと思わない」タイプは、自分を優先したいという言動が見られます。例えば、人の話を聞かない・ノートを書かないといった行動は、このタイプに該当すると言えるでしょう。こういった特性がある子供は、他に考え事をしていたり、周囲に気が散る物があるケースが多いので、テレビなどの環境音を遮断する・目を見て話す・気になるものを隠す・考え事を先に解決してから次の作業に移るなどで、対策を打ってみてください。
一方、「他の概念を受け入れたくない」タイプは、ルールから反することを受け付けなかったり、『絶対』という言葉を重要視する言動が見られます。例えば、“音読みとは昔の中国の発音から来た読み方で、これだけでは意味が通じないものが多い”と定義されていますが、「駅(エキ)」や「席(セキ)」は音読みでも意味がわかります。ルールから反することが苦手な子供は、これにとても違和感を覚え、受け付けたくないと感じてしまいます。
こういった強いこだわりを持つ子供は、知的好奇心や探究心が人よりも優れている可能性を秘めているため、納得いくまで一緒に調べてみると解決の糸口が見えてくるかもしれません。また同時に、ルール以外のことが起きても恐れる必要はないと安心させてあげると良いでしょう。
小学生の子供が勉強についていけない理由の5つ目が、「発達障害・学習障害があるから」です。
近年、テレビなどでも取り上げられる機会が増え、発達障害や学習障害の認知度が高まっています。
そもそも発達障害とは、脳の機能に偏りがある状態を意味します。いわゆる定型発達と判断できる人でも「運動は得意だけど、勉強は苦手」と得手不得手があるように、本来、脳の機能は人それぞれです。しかし、偏りが平均より大きく上回ったり、下回ったりすると、学校生活で困難な場面に遭遇しやすくなるため、発達障害や学習障害という判断をして、その子にあったサポートをしていきます。
ただ、これらの特性があるからといって、必ずしも勉強についていけない・勉強が好きになれないということはなく、むしろ、得意な分野で驚くべき成果を見せる子供はたくさんいます。
例えば、上記の例にあった「人の話を聞かない・ノートを書かない」はADHD(注意欠如・多動症)の兆候ですが、
集中を阻害する物を排除する
勉強時間を短時間に絞る
同じ問題を毎日繰り返し解く
といった方法で、勉強が好きになり、どんどん成績が上がっていくケースがあります。また、いわゆる天才肌と呼ばれる子供が多いのが、このタイプです。
私たち個別教育Canでは、発達障害や学習障害があるからといって、その子を特別視することなく、一人ひとりの特性にあった学習方法を取り入れています。ですので、「発達障害・学習障害があるから、勉強についていけないのは仕方ないことだ」と諦めるのではなく、医療機関や行政サービス、学習塾といった第三者を活用して、得意を伸ばしていくと良いでしょう。
次に、子供が勉強についていけない時にやるべき対策についてご紹介します。
子供が勉強についていけないと感じた時は、まず家庭学習を習慣化しましょう。
習い事の都合で学習時間が固定できないなど、毎日決まった時間に学習時間が確保できなくても、家庭学習を習慣化することは可能です。そして、忙しい日々の中で家庭学習を習慣化するためにおさえるべきポイントは、「先延ばし行動」の排除です。
試験前になると、なぜか机の上や部屋を片付けなくなるという経験がある方は多いはず。これは、散らかっていると集中できなくなるからという理由を口実に、やるべきことを先延ばしにする心理行動が働いているためだと言われています。
「先延ばし行動」は子供でも同じ現象がよく見られ、さて勉強しようという時に限って部屋を片付け始めたり、他の習い事の練習を始めようとします。時間に余裕がある時は、ぜひ片付けや練習に励んでもらいたいところですが、時間がない時はそうも言っていられません。
このような「先延ばし行動」を阻止するには、勉強スペースに気が散る要素を持ち込まないことです。そのため、小学生の間は、ゲーム機や漫画が置いてある自室ではなく、親の目が届くリビング学習がおすすめです。
勉強についていくためには、学校で出された宿題をやるだけでなく、予習にも力を入れましょう。あらかじめ予習しておくことで、「これ知ってる!やったことがある!」という自信に繋がり、学校の授業で手を挙げる回数が増えるなど、積極的に勉強に取り組めるようになります。
具体的な方法ですが、まず教科書を声に出して読み、その後、基礎問題に取りかかります。この際、まずは教科書に載っている問題があればそれを、社会や国語など問題が載っていない教科であれば、塾の教材や学校のカリキュラムにあった市販の教材を使うと良いでしょう。そして、正誤問わず、同じ問題を5回以上繰り返して解きます。
これは、漢字や計算問題に関しても同じです。特に聴覚優位の子供は、書くだけでは記憶に定着しにくいため、声に出して書く・解くのを徹底させるのがおすすめです。
勉強についていけないと感じたら、これまで以上に積極的に関わりを持つと良いでしょう。日常の何気ない生活こそ、子供のあらゆる能力を鍛えるトレーニングになるからです。
例えば、回答を限定させない「オープン・クエスチョン」と、回答をイエスかノーのどちらかに限定させる「クローズド・クエスチョン」は、商談時などに活用する営業話法の一つですが、このうちオープン・クエスチョンは子供の考える力や表現力、記憶力を養うトレーニングに適しています。
【クローズド・クエスチョンの例】
宿題やったの?
先週の日曜日、お鍋だったっけ?
植物が光合成するのって葉緑体だっけ?
【オープンド・クエスチョンの例】
宿題はいつから始める予定にしてる?
先週の日曜日、何食べたっけ?
植物が光合成するのって、どこだっけ?
ポイントは、質問する際に5W1Hを使って、子供に回答を導き出させることです。学習進度に合わせる必要はなく、日常生活で疑問に感じたことを、子供主体で解決していくというスタンスが良いでしょう。こうした日常で感じた疑問を解決するための手段が勉強なんだと身をもって体感すれば、勉強の必要性や楽しさも身に付いていきます。
この他にも、例えば料理は比や割合の勉強になりますし、お小遣い帳は計算力やマネー感覚を養うのにぴったりです。親子で交換日記や家庭菜園にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
このように、子供と積極的な関わり合いを持つことで、知識と自信がつき、勉強が好きになる子供はたくさんいます。まずは日常会話から、意識して取り組んでみてください。
今回は、小学生の子供が勉強についていけない理由と、やるべき対策についてご紹介しました。
勉強についていけない状態が長く続くと、勉強へのモチベーションが低下して、やがて諦めに発展してしまいます。そのため、「もしかして、うちの子は勉強についていけないのかも……」と感じたら、勉強を諦めてしまう前に対策をしていきましょう。
個別教育Canは千葉県で展開している個別指導塾です。
授業でも授業以外でも、基本的に子供をよく褒め、自分の力で問題を解く「楽しさ」を伝えるように心がけています。
例え不正解でも否定せず、回答を見つけるまでのプロセスを講師と一緒に歩むことで自信につながり、徐々に勉強が好きになります。
そして問題が解けたときは、子供と一緒に、めいいっぱい喜びを分かち合います。
また、その子特有の「間違える癖」を見つけ、子供自身にそれを気づかせ「ミスを減らす」ように促し、子供の能力を信じて伸ばします。
さらに学校では教えない、それを知っていると問題が簡単に解けてしまう「Can独自のポイント」を教えるため、勉強が得意・好きになる可能性がグッと高まります!
勉強についていけない子供の学習サポートはもちろん、家庭学習のやり方などについても最善策をご提案します。まずはお気軽にお問い合わせください。